分解掃除(オーバーホール)の重要性を知っておこう
みなさま、こんにちは。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
年も明け、気持ちも新たに昨日から鹿児島店は営業をスタートしております。
新年早々にお持ちの時計のメンテナンスにご来店された方も多くいらっしゃいました。
そこで、本日は意外と詳しく知られていないオーバーホールについて、お話していこうと思います。
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【項目】
・オーバーホールとは
・なぜ、オーバーホールが必要なのか
・オーバーホールの作業内容
・どのタイミングで出せばいいの
オーバーホールとは
オーバーホールとは、分解掃除のことを言います。
ブランドによっては、コンプリート・サービスと言ったりもしますが、意味は同じです。
オーバーホールは英語の「overhaul」を語源とする言葉で、徹底的 に点検、整備、修理 するといった意味があります。
車業界や音楽楽器の世界でも使われる言葉ですが、 機械や装置類を一つ一つの部品にまで分解、点検し、状態を回復するために必要な洗浄や修理、部品交換などの処置を行うことで、本来のその物が持っている性能状態までt被けることを目的としています。
時計雑誌とかを見ると、たまに「OH」と略されていることもあります。
なぜ、オーバーホールが必要なのか
機械式時計のムーブメントはとても精密で、時計の機構にもよりますが、100~300個を超えるパーツで構成されている時計もあります。
日々の稼働で、潤滑油の油切れや劣化、部品同士の摩擦や磨耗により時計の調子が低下してしまうこともあります。
また、劣化した潤滑油の固着による動作不良や故障の原因となることから、定期的なオーバーホールを行うことで、腕時計の正確な動作を維持し、故障を未然に防止することができます。
人と同じで、定期的な検診を行って大きな病気を未然に防ぐのと同じですね。
オーバーホールの作業内容
冒頭でお伝えしたように、オーバーホールは、本来のその時計が持っている性能状態まで限りなく回復させることが目的です。
対象の時計が、現在どういった状態なのかを外装から見て始まり、そして内部の方へ移行していきます。
ブレスレットはケースから外され、ケースからはムーブメントが外され、それぞれの分野で適切な処置が施されていきます。
オーバーホールと言えば、機械(ムーブメント)だけを対象に行うと思われがちですが、良く耳にする有名なスイス時計のほとんどは、外部に至るまでいろんな角度で診断し、作業を行っていきます。
今回は、主にムーブメントにフォーカスを当ててお話ししますが、実際はケースの防水検査も含め、ベルトの状態なども検査しています。
ムーブメントは分解され、すべての部品を点検、洗浄、組み立て、注油および、タイミング調整を行います。
ムーブメントの基本部品(歯車類、香箱、針)が破損、摩耗していた場合、交換を行い、故障個所の調整、点検を行います。
ケースなどの外装部品の分解、洗浄、すべてのパッキンの交換、組み立て、防水テスト、ブレスレット洗浄を行います。
現在でも、組み立てや調整は、熟練した技術者が一つ一つ丁寧に組み上げ、調整されています。
機械ではできない分野ですね。
どのタイミングで出せばいいの
正直、これに関しては賛否両論あります。
ブランドによって推奨されている期間の違いや、使用環境や使用頻度によっても変わってきます。
一昔前は、機械内部の油の渇きが時計の精度に直結し、時間の遅れなど症状に表れやすかったので、分解掃除のタイミングも分かりやすかったです。
しかし、近年は一つ一つの機械のパーツの精度や潤滑油のクオリティーの向上で、ちょっとやそっとでは表に現れにくくなってきました。
ただ、時計の調子がいいからといって、まったくしなくても良いというわけではないので要注意です!
やはり、歯車がかみ合っている以上、削りカスが内部で飛散したり、機械以外でも、ケースの防水性の低下などもあります。
ゼンマイを巻いたり、時間調整をするリューズだと、負担も大きいので尚更です。
ブランドや、モデルによって一部異なってきたりもしますが、こういったことを踏まえると、4年~5年に一度はオーバーホールをした方が、コンディションの良い状態で、長くご使用頂けると思います。
なかなか、ご自身で判断が難しいようでしたら、お気軽にスタッフにお尋ねください。
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